ワケありルームシェア
そして雑談が始まった。
僕は持ち歩いている本を読んでいる。
キッチンの方からはタンッタンッとリズムに乗った包丁の音。

「あ、そう言えば緋山君さ。」
「……………何です?」
急に話しかけられる。
「みっちゃんの秘密、聞いた?」
「秘密って?」
視線恐怖症?
それとも接触恐怖症?
「目、だよ。……あと、触ること、かな。」
「先輩は知ってるんですか?」
「まぁね〜。知ってなかったらそのままみっちゃんに抱きついてる。」
「そうですね。まぁ、僕も教えてもらいました。」
「そっか……。」
何が聞きたかったんだろう。
秘密を知ってるからって何?

「緋山君は信用されてますね。」

すると月宮先輩が口を開く。
「私達はもう少し時間がかかりましたからね。1ヶ月くらい?」
「まぁ、それだけ緋山君が信用されてるってことだ。」
< 77 / 175 >

この作品をシェア

pagetop