無気力王子とじれ甘同居。
「あ、祐実ちゃん!ごめんなさいね!」
頭を抱えていると、アパートの階段から大家さんが慌ててこちらに歩いて来るのが見えた。
「あ、春子さん。あの、一体どういうことですか?」
「いやーね、私も人伝えで聞いたもんだからなんだか勘違いしてたみたいで…改めてさっき連絡来て『男の子』だっていうもんだからびっくりして…」
申し訳なさそうにそういう大家の春子さん。
えぇ、もしかして、私と同居する女の子って、松下くんのことなの?!(男の子だけど)
確かに綺麗な男の子だけどさ、松下くん…。
「さすがに男の子と同居させるなんてね…私、もう一度連絡してお断りの連絡…」
春子さんはだんだん声を小さくしながら、正面で黙って突っ立ってた松下くんを見た。