無気力王子とじれ甘同居。


「………」


「………」


「………」


「なんで黙っているのよっ」



痺れを切らした私がそう声を出す。


仕方なく松下くんを部屋にあげて、テーブル椅子に座らせたのはいいけど。


部屋に入って来てから、松下くんは一度も口を開いてくれない。



『おじゃまします』


も言わなかった。


本当、失礼っていうか…常識がないっていうか…。



「私は、ずっと女の子が来ると思っていたの、それなのに突然、男の子…しかも松下くんがここにいることにすごくびっくりしてるの」



「………」



「だからその、なんていうか…」


「俺だとダメだった?」


「…え、いや…」


私の顔を覗き込むように聞いて来る松下くんは、やっぱり相変わらず綺麗な肌で綺麗な輪郭をしていて。


見ているだけで、鼓動が速くなる。



自分の部屋にクラスの男の子がいるってだけで変な気持ちになるんだから、かっこいい松下くんなら余計に…。



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