無気力王子とじれ甘同居。



「で、付き合ってるわけ?松下きゅん」


「付き合ってない」



安定した声でそう言う松下くんに、女子たちの安堵の声が聞こえる。


「でもさ〜女の子と2人で住んでんだろ〜?それなのになんにもないわけ?」

「……」

ニヤニヤと話しかけられても、松下くんの顔は一切変わらなく平然。



「どんな感じの子なの?ほら、芸能人の誰に似てるとか、年は何歳くらいとかさ!」


どうしようどうしようっ!


正直者の松下くんなら、私のこと指さして「あいつ」とか言いかねないって!


私は祈るように両手を握って、松下くんのことを見る。


絶対に言っちゃだめなんだからね!



「…親戚のおばさんに似てる」



─────っ?!


「え〜〜なんだよそれ〜」

「ほんとかよ〜〜」


「本当。口うるさいし、親かって感じ」


「あ〜そう言う系か〜」
「てっきり同い年の可愛い子と…なんて期待したじゃんか!」

「お前らが勝手に妄想したんだろ」




松下くんの周りの男子は笑ってるし、女子たちは「松下くんがたくさんしゃべってる」なんて嬉しそうに話してるし。




なんか…。


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