無気力王子とじれ甘同居。








「すげぇふくれっ面じゃん。祐実」


放課後の帰り道。


隣を歩く大貴が私の顔を覗き込む。


「…いや、別に」


松下くんがムカつくなんて話し出せば長くなる。


言えるわけない。



「何。アイスじゃ不満なの?」


「へ!違うよ全然違う!」


大貴は「ふ〜ん」と言いながら通学路に歩るコンビニに入った。



そう。
この間奢ってもらうはずだったアイスを、大貴に今日奢ってもらうんだ。


あの時は声掛けずらかったもんな〜。



「この前、約束したのになんで先帰ったんだよ」


うっ。


まぁ、聞かれることはわかってたんだけど。


「…だって〜大貴告られてたから…お邪魔かな〜って」


私はアイスを選びながら答える。


私だってバカじゃないもん。
空気くらい読めるよ。


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