無気力王子とじれ甘同居。
「…祐実は」
コンビニを出て少し歩くと、大貴がコーラを飲んで突然話し出した。
「祐実は、いねぇのーかよ」
「…ん?何が?」
「…だから、、その、好きなやつとか」
私がアイスを食べながら聞き返すと、大貴は少し口ごもってからそう言った。
好きな人…か。
考えたことなかったかも。
今までずっと、みんながかっこいいって騒いで見てる人を横でふーんと見てるだけだったし、今はあいちゃんとあいちゃんの彼氏との話を聞いてるだけで楽しいというか…。
「…いない…かも」
「…まじかよ」
「…え!何!もしかして、大貴いるの?!」
ため息混じりの大貴のセリフに私は思わずバッと隣の大貴を見る。
「…いても、祐実に絶対言わねー」
その横顔が少し赤くなった気がしたから、本当に大貴には好きな人がいるのかもしれない。
「え、なんでよ!腐れ縁でしょ?1番に教えてよ!」
「…やだ」
「はぁーなんでよ〜」
私が不満そうにすると
「溶けるから早く食え」
大貴は私の髪を乱暴にくしゃくしゃとしてからそういった。