無気力王子とじれ甘同居。



送ってくれた大貴にお礼を言ってからアパートの階段を登る。


もし、大貴に彼女ができたらこうやって帰り道一緒に帰ることもなくなるだろうし、アイスを奢ってもらうことだってないだろう。



もしそうなったとしても、大貴が好きな人とうまくいくなら応援したいな。



─────ガチャ


私はドアの鍵を開けてから、家の中に入る。


この1人暮らしも、パパよりも大貴の方が心配してくれたっけ。


弟みたいな存在だったり、時にはお兄ちゃんみたいだったり。



だから、大貴が誰かを好きかもしれないってことが、なんだかちょっぴり寂しい。



だんだん、みんな大人になっていくんだな。


しみじみそんなことを思いながら、手を洗って、朝に干した洗濯物を取り込もうとベランダに向かう。



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