我喜歡你〜君が好き〜
あの時と同じようにテラス席に腰を下ろした凪沙。
今日はお客の入りが多く、店内席は満席でテラス席は半分埋まっていた。
見た限り彼の姿は見えない。
やっぱり、今日は来ないのかもしれない。っていうか、彼がここに通っているって言う保証はないし、あの日たまたまこの店にいただけかもしれない。
あんないい男がお一人様なはずがない。きっと彼女と待ち合わせをしていたんだ。
先ほど振り払った考えが再び浮かんできて、凪沙は軽く頭を振った。
やめよ。
深く考えても仕方がない。自分はもうここにきてしまったのだから。
凪沙は気を取り直してカフェモカに口をつけ、先ほど買った小説を鞄から取り出した。
ーーーどれくらいそうしていただろうか…。
すっかり物語に入り込んでしまった凪沙は自分が座る席のすぐ隣の椅子が引かれた音にハッと意識を戻した。
いけない…。また夢中になってしまった。
久しぶりんに読んだKyouさんの作品はやっぱり面白い。純愛小説なんて…と思っていた自分を殴りたくなるほど、凪沙は小説の物語にのめり込んでいた。
もはや、ここにきた目的は思考の彼方へ追いやられようとしていたその時
「良ければ、どうぞ。」
突然目の前にブランケットが差し出された。あの時、凪沙が彼に差し出した、この店のブランケット。
それをみて思考が一瞬止まる。
そのままブランケットから視線をあげると、間違いなく先日の彼・ジャーハオがそこに立っていた。
ふわりと上品に微笑まれ、凪沙の顔に瞬時に熱が広がって行く。
…うそ…。
本当に…また会えた…。
「…それとも今日はいらなかったかな?」
そう行ってブランケットを下げようとしたジャーハオに凪沙は慌ててストップをかけた。
「あ、すいません!いります!!」
慌てすぎて大きくなってしまった自分の声にとてつもない羞恥を感じながらも、ジャーハオからブランケットを受け取った。
ーーー遡る事数分前…。
バカみたいにデスクに張り付いて、なんとか仕事を片付けて捥ぎ取ったこの時間。
着替えることもせず、会社からまっすぐここにきたジャーハオはテラスに凪沙を見つけた時、無意識に笑みを浮かべていた。
ここに来れば再び凪沙に会えると言う保証がなかったジャーハオにとって、これは一種の賭けだった。
平日の夜の3時間程度を捻出するために自分に強いられる労働は2日。いつ出会えるかもわからない凪沙に会うためにこのカフェに毎日通うことは肉体的に難しい。
もし、会えなければ…。
いや、会うのだ。会わなくてはいけない。
たとえ、一睡もできないほど仕事に忙殺されたとしてもなんとかこの時間を捻出する。
その強い想いは揺るがない。
と思ってはいたものの、実際にこうして凪沙に会えるまではジャーハオも不安だった。
そして、凪沙を見つけた今、その不安と極限的な疲労は跡形もなく消え去った。
店内に入りホットコーヒーを注文しながら、凪沙にどう声をかけようか悩んでいるジャーハオは、人知れず微笑んでいたりして…。
それを先日訪れた際、相手もされなかった店員の女がまともに見てしまい密かに顔を赤らめることになった。
今日はお客の入りが多く、店内席は満席でテラス席は半分埋まっていた。
見た限り彼の姿は見えない。
やっぱり、今日は来ないのかもしれない。っていうか、彼がここに通っているって言う保証はないし、あの日たまたまこの店にいただけかもしれない。
あんないい男がお一人様なはずがない。きっと彼女と待ち合わせをしていたんだ。
先ほど振り払った考えが再び浮かんできて、凪沙は軽く頭を振った。
やめよ。
深く考えても仕方がない。自分はもうここにきてしまったのだから。
凪沙は気を取り直してカフェモカに口をつけ、先ほど買った小説を鞄から取り出した。
ーーーどれくらいそうしていただろうか…。
すっかり物語に入り込んでしまった凪沙は自分が座る席のすぐ隣の椅子が引かれた音にハッと意識を戻した。
いけない…。また夢中になってしまった。
久しぶりんに読んだKyouさんの作品はやっぱり面白い。純愛小説なんて…と思っていた自分を殴りたくなるほど、凪沙は小説の物語にのめり込んでいた。
もはや、ここにきた目的は思考の彼方へ追いやられようとしていたその時
「良ければ、どうぞ。」
突然目の前にブランケットが差し出された。あの時、凪沙が彼に差し出した、この店のブランケット。
それをみて思考が一瞬止まる。
そのままブランケットから視線をあげると、間違いなく先日の彼・ジャーハオがそこに立っていた。
ふわりと上品に微笑まれ、凪沙の顔に瞬時に熱が広がって行く。
…うそ…。
本当に…また会えた…。
「…それとも今日はいらなかったかな?」
そう行ってブランケットを下げようとしたジャーハオに凪沙は慌ててストップをかけた。
「あ、すいません!いります!!」
慌てすぎて大きくなってしまった自分の声にとてつもない羞恥を感じながらも、ジャーハオからブランケットを受け取った。
ーーー遡る事数分前…。
バカみたいにデスクに張り付いて、なんとか仕事を片付けて捥ぎ取ったこの時間。
着替えることもせず、会社からまっすぐここにきたジャーハオはテラスに凪沙を見つけた時、無意識に笑みを浮かべていた。
ここに来れば再び凪沙に会えると言う保証がなかったジャーハオにとって、これは一種の賭けだった。
平日の夜の3時間程度を捻出するために自分に強いられる労働は2日。いつ出会えるかもわからない凪沙に会うためにこのカフェに毎日通うことは肉体的に難しい。
もし、会えなければ…。
いや、会うのだ。会わなくてはいけない。
たとえ、一睡もできないほど仕事に忙殺されたとしてもなんとかこの時間を捻出する。
その強い想いは揺るがない。
と思ってはいたものの、実際にこうして凪沙に会えるまではジャーハオも不安だった。
そして、凪沙を見つけた今、その不安と極限的な疲労は跡形もなく消え去った。
店内に入りホットコーヒーを注文しながら、凪沙にどう声をかけようか悩んでいるジャーハオは、人知れず微笑んでいたりして…。
それを先日訪れた際、相手もされなかった店員の女がまともに見てしまい密かに顔を赤らめることになった。

