寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
「ところで、セレナ様がぼんやりと考え込んでしまう原因は、テオ殿下ですよね?」
「え?」
ソフィアは手元の紅茶を口に運びながら、からかう。
テオとはいとこ同士であるソフィアは、たとえ彼が王太子であっても特に気を遣うつもりはないようだ。
「あのオトコ……あ、いえいえ、テオ殿下、ようやく結婚できて、歯止めがけられないんでしょう?」
ソフィアは、ふふっと笑い、肩をすくめた。
「私にも身に覚えがあるんですが、結婚してすぐの頃なんて寝かせてもらえませんからね……。どこまで欲しがれば気が済むんだと思いながらも拒めなくて。もちろん、求められれば嬉しくて応えてしまうんですけどね。あら、私ったら、嬉しいだなんて」
ソフィアは「やだやだ」と言いながら両手を頬に当て、体を振った。
「寝かせてくれないってなんのこと……あ、あ、そ、それは、その」
ソフィアの言葉の意味を察したセレナは、あっという間に顔を赤くし、口ごもった。
思い当たる事ばかりで恥ずかしい。
「あら? やっぱりテオ殿下は暴走しているようですね。ふふっ。今度お会いしたらからかってさしあげますね」
「それは、その……。えっと、私は別に嫌ではないので、って、そんなことを言いたいわけではないんですけど、その」
「まあまあ、焦らなくていいんですよ。あ、すみません、王太子妃様なのに、失礼いたしました」
ソフィアは調子に乗ってからかい過ぎた自分を反省した。
けれど、やたら優秀でしっかりしているセレナの意外な姿を知り、からかわずにはいられないのだ。