エリート上司の過保護な独占愛
「色々とありがとうございます。それなのに私――」

「ちょっと待って。今、沙衣は俺のやったことについてどう思ってる?」

 いきなり趣旨のわからない話をされて戸惑ったが、素直な気持ちを伝えた。

「うれしいです。私を喜ばせようと選んでくれたネックレスも、こうやってわざわざ探して来てくれたことも……」

 沙衣の言葉を聞いて、裕貴の目に力がこもる。

「今日の俺の行動と、沙衣の行動になんの違いがあるんだ?」

 言っていることの意味がまだ分からずに、黙って話を聞く。

「紗衣は、俺のために綺麗になろうと努力して、俺のことを知ろうとして色々調べたんだろう? 全部俺のためなのに、そのことで俺が嫌な思いをすると思うのか?」

 紗衣にとっては、裕貴がやってくれたことは本当にうれしかった。裕貴も同じ気持ちだという。しかし、気になることがあり素直に納得できずにいた。

 そんな紗衣の態度に、裕貴も気がついている。紗衣はどうそれを伝えていいのか迷っているのだが、傍から見れば黙りこくる紗衣は裕貴の言葉を拒否しているように見える。
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