エリート上司の過保護な独占愛
 そんな裕貴にタクシーで連れてこられたのは、都内でも有名な外資系のホテルだった。沙衣は結婚式に一度参列したことがあるが、格式のある高級ホテルだ。

 タクシーから降りようとすると、ドアマンが扉を抑えくれていた。裕貴がフロントで手続きをしている間、ソファに座って待っているように言われた沙衣は、周りを見渡す。

 フロントの正面には大きな花瓶に、豪華な花がアーティスティックに飾られている。ホテルに足を踏み入れた皆が、一番に引き付けられるであろう。天井には大きなシャンデリアが飾られていて、きらきらとまぶしい。普段あまり足を踏み入れるような場所で、思わずキョロキョロとしてしまう。

「お待たせ、行こう」

 ホテルの人の案内を断り、裕貴とふたりエレベーターで部屋に向かう。エレベーターを降りると、一階のフロントの大理石の床とは違い絨毯の廊下が奥まで続いていた。

 一歩先を歩いていた裕貴が、通路の一番奥の部屋の前で足を止めて、部屋の扉を開けてくれる。沙衣が足を踏み入れると、落ち着いたラグジュアリーな空間が広がっていた。

 広々とした空間は、深緑色の絨毯にあったかい光を放つランプシェードに迎え入れられた。

 ソファもテーブルもシンプルながら高級感を感じられるもので、シックな雰囲気はホテルというよりもタワーマンションの一室を彷彿させる。
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