エリート上司の過保護な独占愛
しかし、そんなふうに幸せな思いに浸っていられるのもわずかの時間だった。

 ついばむだけだったキスが、すぐに濃厚なものに変わる。そのキスが首筋を伝い乱れたバスローブの胸元へと移動した。思わずビクンと体が反応してしまう。

「大丈夫だから、全部俺にまかせて……」

 その言葉通り、ゆっくりと沙衣の体を慣れさせた。普段は細くて長い指だと思っていた裕貴の手は、今日はやけに大きく感じる。男らしさを感じる手と唇、そして触れ合う肌と肌が緊張や戸惑いを溶かしていった。

 バスローブの紐がとかれ、沙衣のすべてが裕貴の前にさらけだされる。羞恥心から思わず両手で体を隠そうとした沙衣の手を、裕貴が止めた。

「全部見せて、大事にするから……」

 お互いの指と指が絡み合う。すべてをさらけ出した紗衣の全身に、裕貴の唇が這う。濡れた舌先で与えられる刺激
は、紗衣にとっては始めての感覚だ。くすぐったいような、それでいてゾクゾクするような……。

 けれどもそれが身体を熱くしていく。自分ではどうしようもできない状況に、ただ翻弄されるしかなかった。

「紗衣……。いい?」

 何を言っているのか分かって、紗衣はゆっくりとうなずいた。

(……とうとう、私)

 急に意識してしまい、身体が固くなる。

「きっと、痛いと思う。だからしっかり俺にしがみついて」

「はい」

 どこまでも優しい裕貴に、紗衣は全てを預けたのだった……。
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