御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「私と鳥飼さん?」
なぜ、そんなことになるのだろう。
完全に固まる早穂子に向かって、
「私を助けると思ってぇぇぇ~!!!! このままだとフェードアウトになっちゃう! そんなの絶対いやなんだってばぁ!」
ゆずは悲鳴のような声をあげながら、テーブルの上に突っ伏してしまった。
「ちょ、ちょっと待って。話を聞くから詳しく聞かせて?」
ダブルデートという突然の提案に驚きながらも、とりあえず彼女の話に耳を傾けることにした。
お酒が入っているせいか、涙目ではあったが、ゆずはチマチマと生ハムをフォークでつつきながら、ゆっくり語り始める。
「実はね、鶴田くん、あれから電話とかラインとかで連絡取りあってたんだけど……」
「うん」
「会いたいな~、みたいなことをちょっと仄めかしたらね、『じゃあ四人で会おうぜ』って言われて」
「なるほど……」
「いや、私はふたりで会いたいんですけどー? って思ったし、ぶっちゃけ脈があるようなないような、微妙な感じだけど、それでもまぁまだチャンスはあると思うし、ここで諦めたくないのよ! 絶対に、彼ともっと親しくなりたいの!」
ゆずは真剣な眼差しで言葉を続けた。