御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「あ……はい。使わせてもらっています……すごく、助かってますっ……」
なんと副社長に気遣われてしまった。
ホッとした瞬間、嬉しくてぽろりと涙がこぼれた。
「どうして泣くの」
始がクスッと笑って、そのまま持っていた早穂子のハンカチで涙を拭いてくれた。
「すす、すみません……」
もうさすがに恥ずかしすぎる。
だがなかなか涙は止まらなかった。
ぽろぽろと後から後から、頬を伝って零れ落ちていく。
さすがにこれはまずい。
副社長にこれ以上失態を見せられない。
ということは早くこの場を立ち去るしかない。
早穂子はペコッと頭を下げて立ち上がろうとしたのだが、
「あ、待って」
始はなにを思ったのか早穂子の手首をつかみ、引き寄せた。