御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

(始さん……)

普段は汗一つ流さないような落ち着いた顔をしているのに、今の彼は全身がしっとりと汗で濡れていた。くせ毛が額に貼りついて、ひどくセクシーだ。

(好き……すごく、好き……)

とめどなく、想いが溢れてたまらない。

好きだと思う気持ちと、このままでは壊れてしまうと思う気持ちが交互にやってきて、もういっそのこと、このまま、どうにかなってしまいたいとすら思ってしまう。

だからもっとキスしてほしいと彼の首に腕を回した。

「サホちゃん、どうしてほしいか言ってごらん……?」

当然、始は早穂子の望みに気が付いているのだ。

少しだけ意地悪にささやいて、ゆっくりと早穂子を導いていく。

恥ずかしいと思う気持ちは、もうとうに消えていた。

「き、キス、して……っ」
「うん……してあげる」

始は満足そうに微笑んで、早穂子の両手首をつかんでいた手を離し、そのまま髪の中に差し入れた。
< 212 / 276 >

この作品をシェア

pagetop