御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
――――・・・
「今日、急に来てごめん……。商談相手の飛行機が整備不良で飛ばなくなって……突然、時間ができたんだ」
脱力したようにベッドの中で抱き合ったあと、始は早穂子を抱きかかえたまま、ぽつぽつと話し始めた。
「タクシーの中で電話したけど、出なかったから……でも、サホちゃん、家にいるときあんまりスマホ触らないでしょ。だから直接行ってみようと思ってね」
そして始は、すりすりと早穂子の肩に頬を寄せた。
どうやらキッチンで気づいた着信は、ゆずではなく始だったらしい。
「そうしたらドアの前に男と君がいて……なんだろ……別にサホちゃんを縛り付けるつもりはないってずっと思ってたけど……」
思っていたけど、なんだろう。気になったが、始はそのまま無言になってしまった。
(冗談でも、妬けたって言ってくれなくなってるんだ……)
それがどういう意味を持つのか、早穂子にはまだ決心がつかない。
いや、始だってそうなのだろう。何度か息を飲んだりして、何かを言いたそうにしては、また口をつぐむことを繰り返している。
だから早穂子が代わりに口を開いた。
「始さん……何か、言いたいことがあるなら、話してほしいです……」