御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
正直、あまりいい予感はしない。
そしてこういう時の勘は、あたるものだ。
だがもう……早穂子は黙っていられなかった。
そのままぎゅっと唇をかんで、始の裸の胸に額を押し付ける。
(お願い……話して……心を開いて……)
どれだけ時間がたっただろう。
心の中で過ぎる時間は、一瞬とも永遠とも言える。
ほんの一呼吸。いや、もっとだったかもしれない。
「――早穂子」
唐突に始が名前を呼び、早穂子の体はビクッと震えた。
今までずっと『サホちゃん』だったのに、まさかのタイミングではないか。
覚悟していたはずだが、不安がよぎった。
それでも早穂子は「――はい」と応える。
「俺にはさ……君に与えられるものがないんだ」
「え……?」
与えられるもの――。
いったいどういう意味だろうか。
早穂子はじっと始を見つめた。