御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「ね、俺の立ってるでしょ」
そんな早穂子を見て、始はにやりと笑った。
そして早穂子の指に自分の指を絡めて、ぎゅっと握る。
早穂子よりもずっと大きな手だ。
「こうやって手を繋いでるだけで、興奮してくる」
彼は早穂子をじっと見つめたまま手を引き寄せ、早穂子の手の甲にキスをした。
ビクッと体が震える。
「……やばいな。覚えたての中学生みたいだ」
そして早穂子を腰の上に乗せたまま、楽しそうにクスクスと笑った。
下品な言葉も、なぜか彼の口を通して聞けば、そうは聞こえない。
むしろセクシーで可愛いとさえ感じてしまう。
(いやいやいやいや……私はいつまで夢を見てるの……! 山邑さんは、弊社副社長だよ!)
いくらなんでもそろそろ目が覚めてもいいのではないか……。
いくら夢とはいえ、彼をこんなみだらな夢につきあわせるのは、ある意味セクハラなのではないか。
根が真面目な早穂子は、急に申し訳なくなった。
「あの……そろそろ夢は終わりにしないと……!」