御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

「ね、俺の立ってるでしょ」


そんな早穂子を見て、始はにやりと笑った。

そして早穂子の指に自分の指を絡めて、ぎゅっと握る。

早穂子よりもずっと大きな手だ。


「こうやって手を繋いでるだけで、興奮してくる」


彼は早穂子をじっと見つめたまま手を引き寄せ、早穂子の手の甲にキスをした。

ビクッと体が震える。


「……やばいな。覚えたての中学生みたいだ」


そして早穂子を腰の上に乗せたまま、楽しそうにクスクスと笑った。

下品な言葉も、なぜか彼の口を通して聞けば、そうは聞こえない。

むしろセクシーで可愛いとさえ感じてしまう。


(いやいやいやいや……私はいつまで夢を見てるの……! 山邑さんは、弊社副社長だよ!)


いくらなんでもそろそろ目が覚めてもいいのではないか……。

いくら夢とはいえ、彼をこんなみだらな夢につきあわせるのは、ある意味セクハラなのではないか。

根が真面目な早穂子は、急に申し訳なくなった。


「あの……そろそろ夢は終わりにしないと……!」

< 7 / 276 >

この作品をシェア

pagetop