秘密の陰陽師 【肆】上




「拓海おはよう!」




朝からうるさい拓海に嫌な顔をすることもなく笑顔でそう言う葵。




「葵、身体は大丈夫なんか?」





ケロっとそう聞く拓海




あいつ…もう昨日のこと忘れたのかよ




葵の前ではこの話は禁句だって言っただろうが…




「ん〜?なにが??」




案の定なにも覚えていない葵は首をかしげる
葵の反応にようやく昨日のことを思い出したのか、明らかに
'やってしまった'
という顔でこちらを向く




「ねえ何がなの?」





そんな拓海に追い打ちをかけるように葵が聞く。




'たすけてくれ'
拓海の目がそう言っている




はあ…全く手がかかるやつだ




金狐の話に話題をかえようとした時





ガラガラという音と共に部屋のドアが開いた




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