秘密の陰陽師 【肆】上
ドアを開けるとまだ誰もきていないようだ
薬品の匂いがツンと鼻につく
部屋に入り、散らばっている椅子に適当に腰をかける
平然を装うが葵の首筋に垂れる汗を見るたびに不安でたまらなくなる
そんな俺とは裏腹に
「ここね、私が金狐と出会った場所なんだ」
そういう葵からは笑顔さえも見受けられる
「そう言えば葵と金狐の出会いの話し聞いたことなかったな…皆が来るまで聞かせてくれよ」
話しをしていないと、とてもじゃないが平静ではいられない
「いいよ!
あのね私と金狐が出会ったのは「おっはよ!あれ?柊はまだ来てへんのか!あ!舜と葵おはようさん」
葵が話し始めたと同時にガラガラと勢いよく扉をあけていつものごとく朝からテンションがやたらと高い拓海がまたいつものごとくマシンガントークで部屋に入って来た