秘密の陰陽師 【肆】上
「まず何から突っ込んだらええ?」
拓海は柊にそう言うが、
「聞きたいことは沢山あると思うが時間がない。早速説明するから椅子に座ってくれ」
柊の少し焦ったような表情にその場の空気が緊張に包まれるのが分かる
俺たちは散らばっている椅子にそれぞれ腰をかけ円を作るように座った
「ねえ1つだけ聞いていい?」
控えめに葵が手をあげる
「なんだ?」
柊は葵の顔を見ると優しく微笑んだ
柊は本当に葵には甘すぎる。
柊の表情が変わる時は大抵は葵が関係している。
「なんでスーツ着てるの?」
葵は首を傾げながらそう言った
「ああ…昨日帰ってからちょっとアメリカまで行ってたんだ」
柊はサラッとそう言った
「「「・・・アメリカー?!?!?!」」」
少しの沈黙の後、璃玖以外の3人の声が見事にはもった
いや、おいアメリカって…本当に言ってるのか?
葵は口をあんぐり開けて固まってしまっている
餌を欲しがる魚みたいだな(笑)
「行動範囲広すぎやんか…?」
拓海は信じられないと言った表情で柊を見ていた