側婚
「結……。
平太さんが…一番好きな男なんじゃない?」

「違う」

「結が…気づいてないだけなんじゃない?
恋愛感情が本当はどういうものか分からないんじゃな…」

「一緒に居ると、ドキドキする。
いつでも、どこにいても顔が浮かぶ。
他の女性と居るのが嫌だって思う。
それが、恋愛感情でしょ?」

「…分かってるね……」

「分かるよ!!!
一番好きな男を何年探してると思ってるのよ!!!」

17年も探してるのよ!!!

分からないと、探せないでしょうが!!!

「じゃあ…平太さんには…。
全く…あてはまらないって事?」

「うん!!!」

あてはまらない!!!

「平太さんと一緒に居て…ドキドキしないの?」

「うん!!!」

ドキドキしない!!!

平太さんが近くに居ても、私の心は穏やかなの!!!

「いつでも…どこにいても…平太さんの顔が…浮かばないの?」

「うん!!!」

浮かばない!!!

平太さんの顔が浮かんだ事なんて、一回もない!!!

「平太さんが…他の女性と居るのが…嫌だって思わないの?」

「うん!!!」

思わない!!!

この前、平太さんが同僚の女性と食堂に来た時、嬉しかった!!!

「平太さんは一番好きな男じゃないから!!!」

「でも…」

♪♪~♪~。

私のスマホの着信音が鳴り、手にしていたスマホの画面を見る。

「お母さん?」

【お母さん】の表示。

「…おばさん?」

「もしもし。
お母さん?
…お母さん?

どうしたの?」
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