側婚


「面白かったですね」

「うん……」

「帆乃日に今度会ったら、お礼言わないと…」

「結……」

「はい」

「大丈夫だよ。
大丈夫」

平太さんは私の目を見ながらそう言うと、私を抱きしめ…。

「僕はまだどこにも行かない。
側に居るから。

大丈夫だから」

力強く…はっきり…伝えてくれた。


まだって…そんなの平太さんだって分からないでしょ?

今…10分後…1時間後…12時間後…明日…私の側に居るかなんて…。

すごく遠くまで私を置いて…一人で行ってしまう時なんて……いつ来るかなんて、分からないくせに……。

そう思うのに…どうしてこんなに…不安が薄くなって……。

安心…出来るんだろう…。

「はい……」

信じられるんだろう…。

平太さん……。

「大丈夫」

ありがとうございます……。
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