側婚
〈平太くん。
今、必死で結を探してるよ〉

〈平太さん。
今、どこに居るの?〉


《結が通ってた保育園、小学校、中学校、高校……》

高校まで行ったけど、平太さんは居ない……。

という事は……。

《あと、結がよく遊んでた公園》

公園に着くと……。

「平太さん…」

平太さんが顔を下にしてトボトボと歩きながら、私に向かってきた。

「平太さん!!!」

平太さんが私の呼ぶ声に気づき、足を止めて、顔を上げる。

「結……。
結!!!
一生側に居て下さい!!!」

平太さん……。

「私は……平太さんに恋愛感情が無いですし、これからもきっと……持てないですよ?」

「分かってる」

「キスも…出来ないし、手も…繋げないし、それ以上の関係にもなれないんですよ?」

「分かってる」

「平太さんを私は傷つけてしまうかも…」

「結が側に居ない事の方が、傷つくんだ!!!
だから…側に…居てくれ…」



「分かりました……。
側に居ましょう!!!」

そして、私は平太さんに向けて右手を差し出す。

「行きましょう。
一緒に…家に帰りましょう」
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