最低男子
「何で泣いてんだよ」
『自分でもわかんないよ』
「は?」
陸と一緒にいる…何て、別れた頃を思い出すと考えられない。
優しくキスをしてくれる所とか…
手を握ってくれるとか、
そんな些細な事がとても幸せに感じる。
「泣き止まないと帰るよ」
って、
他人事のように言うけど…泣かせるのは陸でしょ!って感じ。
今は、この冷たささえ心地いい。
『陸のこと嫌いなままでいたかった』
「俺の魅力が出ちゃった?」
そう言って…笑わせてくる陸。
付き合ってた頃は考えられなかった光景が、目の前にある。