最低男子






陸と一緒に過ごしていたらあっという間にバイトの時間になってしまった。





『行きたくない』

と、

言っても…行くしかない。



それに、バイトを休んでも…陸はトレーニングに行くからどっちみち1人になる。







1人になるなら、バイトに行ったほうがいい。

自分を自分で説得をして、陸と一緒に家を出た。








車で10分程度。




車の中では、特に話す事なく、車内は沈黙だった。



私は窓の外を眺め、

陸は運転をしながらパンを食べていた。






「紗菜、着いた」

『ありがとう』

「行ってらっしゃい」





陸はそう言うと、キスをして見送ってくれた。

幸せすぎてどうにかなってしまいそうだった。








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