最低男子






仕事をしていても頭の中は陸で埋め尽くされていた。






毎日、会いたい。


毎日でも、

手を繋いで、抱き締めてほしい。




本当にとろけちゃいそうな程、幸せだった。






いっそ、一緒に住んでしまいたい。

でも、一緒に住めば、後戻りはできない。




こればかりは慎重になるけど…私の実家が遠すぎて、嫌になる。








と、言っても…

陸に相談なしにはできない事。






それに、再び地元を離れる前にやらないといけない事が一つある。




思い出したくもないけど…

考えれば考える程、悩んでしまう。





バイトの休憩中に、陸に連絡をしようと…携帯を見ると大地から大量のSNSが来ていた。







「紗菜、今家?」

「今、どこにいるの?」

「迎えに行こうか」

「大丈夫?今どこ?」

「もう寝てるのかな?」








この事実を話して…怒らない人はいないだろう。




それが、温厚な大地でも…

さすがに、怒るよね。






けど…私は既に大地に気持ちはない。

このまま付き合っててもお互いによくないから近々会って別れを告げようと考えている。








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