最低男子
「何?」
『えりと付き合ってんの?』
私は何も考えずに、陸に聞いた。
聞いたけど…特に意味はない。
「付き合ってねぇよ」
陸はそう言った。
うちらは何をしてても、喧嘩腰。
だから、口調は気にしてない。
答えてくれるだけマシなのかもしれない。
『ちゅしてたから付き合ってんのかと思った。』
「ちゅくらい誰とでもするだろ」
は?
今、何て言った?
思わず、聞き直しそうになった。
けど、確かに陸は耳を疑う事を言った。
最低な奴だとは思っていたけど…ここまで最低な奴だとは思わなかった。
『最低な男だな。』
私は一瞬で、吹っ切れた気がした。
少しでも、
陸に対して好意を持った事に後悔をした。