浅葱の贖罪
そして、高瀬川沿いの料亭は全て探しつくし、三条小橋を渡った右手側に池田屋が見えてきた。

池田屋は、長州藩邸から近く、長州の者が集まっていても、可笑しくなかった。

「ご用改め。手向かい致すにおいては容赦なく切り捨てるぞ。」

私が店主にそう言うと、店主は、二階へ駆け出した。
「お二階様、新選組にございます。」

店主の行動は、見るからに怪しかった。

そして、私が指示を出す暇もなく『ザシュツ』
肉を切り裂く鈍い音が屋敷内に響き渡った。

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