浅葱の贖罪
「土方副長なら外で会津藩士と闘っております。」

私は、顔から再び血が引いていく感じがした。

「会津藩士と戦っているだと?」

すると、斎藤くんは落ち着き払ってこたえた。

「土方副長は、遅刻してきた会津藩士達に手柄を取られないように一歩も池田屋に入れないようにしているのです。」

私は、歳が端正な顔を凄ませながら、会津藩士に通せんぼをしている姿をまともに想像してしまった。



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