ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく
それから俺は仲間たちと合流して、そのまま花火大会に向かった。長い歩行者天国では出店が並んでいて、たこ焼きや焼きそばのいい匂いが漂っていた。
俺はチラッとポケットの中のスマホを確認した。母さんからの連絡はない。まだ家に帰ってきてないんだろうか。
『世那、これあげる!』
突然冷たいなにかが頬に当たって慌てて振り向くと、そこには水風船を持った安田が立っていた。
金髪にピアスとどう見ても非行少女なのに、安田はこういう子どもっぽいものが好きだったりする。
『いらねーよ』
『ちょ、ちょっと待ってよ!』
花火の時間が近づくと人混みはさらに増して、
一緒に来た仲間たちとはぐれてしまった。どうせ男同士の集まりだし、あとで合流すればいいやって考えだから誰も連絡はしてこない。
『岡ピーに電話してみる?』
岡田のことをいつからそんなあだ名で呼ぶようになったのか。安田は俺の後ろを犬のように付いてきてたから俺とはぐれることはなかった。
『べつにいいよ。花火なんてどこにいても見れるし』
『じゃあ、私と世那のふたりきりだね!』
『お前は女友達と見ろよ。それとも友達いねーの?』
『世那と一緒で残念ながら』
『………』
最後のひと言は余計だな、と思いつつも俺たちは人混みを避けて出店から離れた場所に移動した。