ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく
ドンッドンッ!と夜空にカラフルな花火が打ち上げられる。そのたびに歓声が沸き上がってカップルたちはうっとりと肩を寄せ合っていた。
俺の関心は花火よりも鳴らないスマホ。
もう親父も帰ってきてるはずなのに電話もメールもない。
暖炉に火をつけたのは俺だってすぐに分かるはず。だって家に入れるのは俺しかいないし、燃やされているものが買い与えた参考書だと分かれば尚更。
予想では最初に母さんが気づいて、それを親父に伝えて、怒りの鬼電がかかってくる予定だったのに。
……もしかして煙が充満する前に炎が消えてしまったのだろうか。いや、ちゃんと分厚い本に燃え移っていたしリビングを出る時にはメラメラと育っていたはず。
『……せ、な。ねえ、世那ってば!』
ハッと気づくと隣で安田が何故かふて腐れていた。
『私の話聞いてた?』
どうやらずっと俺に話しかけてたらしい。まったく耳に入ってきてなかったけど。
『えっと……なに?』
『だから私の告白!わ、私世那が好きなんだけどその……』
安田はモジモジと顔を赤らめた。
べつに驚かない。だって安田の気持ちは知っていたし、実は告白っぽいことをされたのはこれで3回目だから。