ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく
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もしかしたら詩月と私の心が一体化したのはほんの一瞬の出来事だったのかもしれない。それでも永遠のように長く感じて、思念が消えたところで詩月はガクッと膝を落とした。
「……っ」
止まらない涙。
空白だった時間を詩月は取り戻した。だけど同時に襲ってくる忘れていた苦しさや悲しさ。
詩月の肩に触れると真っ白だったきみはもういなくて、とても黒い感情ばかりが体の中で溢れている。
だから言ったんだよ。世の中には知らないほうがいいこともあるって。
それでも詩月は空っぽな自分はイヤだと言った。そして覚悟をしたはず。過去の自分もその過ちさえも受け止めると。
「……俺……思い出した……ぜん、ぶ全部……っ」
ポタポタと流れ落ちる雫が地面へと溶けていく。
詩月の記憶を探すと決めてから私も覚悟をしていた。その思念を読み取って、私の心に残留している気持ちは詩月のものと同じ。
苦しい、ツラい。苦しい、苦しい。
私も胸が張り裂けそう。だけどだけど……。
「詩月。ここで押し潰されたら同じだよ」
詩月は自分自身でその記憶を消した。どうにもならないその感情から逃れるために。
ここでまた負けてしまったら、同じことの繰り返し。