ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

私は気にしないふりをして自分を守っていただけだ。


本当は人一倍気にして、でも普通になんてなれないから、一人でいるしかないだけ。


人の目を気にした結果、どういう行動をとるのか。


その選択肢で選ぶものが、私と真衣とでは違うだけで、根本的なところはきっと似ているんだ。


そう思ったら、なんだかおかしくなった。


急にクスクス笑い出す私に、「茜、どうした?」と崇さんが怪訝な顔をする。


「すみません、ちょっと思い出しちゃって」


真衣には、人の目を気にしない私は強いって言われたけど、やっぱり強くはない。


私だって、人の目が気になって仕方ないんだから。


だけど、急に吹っ切れてしまった。

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