ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

その後、片付けも終え、帰宅する崇さんと一緒に玄関へ向かった。


崇さんとはこれで最後なんだ。


2週間はあっという間だった。


さっきまでは達成感と喜びに溢れていたというのに、胸が重苦しくなる。


どうしてこんなに寂しいと感じるんだろう。


自分の気持ちがよくわからないまま、泣きそうになるのを誤魔化すように、私は頭を下げた。


「今日と、この2週間。本当にありがとうございました」


顔を上げた時には、なんとか笑顔を作った。


崇さんも「お世話になりました」と私に頭を下げる。


「いや、お世話になったのは私だから!」

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