君が思い出になる前に…
異なる未来
「未来を見てきたって、どういう事なの?」
泣きじゃくる絵美に尋ねた。
「今朝、起きたらね、どういう訳か祐ちゃんの部屋にいたの。いつもの部屋と雰囲気違ってたけど、祐ちゃんの部屋ってすぐわかった。でも姿が見えなくて、探しに部屋を出たら、祐ちゃんのお母さんがいたのよ。なにか様子がおかしいから、どうかしたんですかって聞いたの。そしたら…」
「そしたら?」
「祐ちゃんが、事故に遭ったって…」
「事故!?」
「うん、今朝出勤した時、祐ちゃんの車とタクシーがぶつかったって…」
「出勤?タクシーと?」
「うん、それで病院に運び込まれたから、これから行くって慌ててた。あたし、一瞬なんの事か意味が理解できないで呆然としちゃったの、そしたらお母さんにしっかりしなさいって言われて…」
「それで?」
「あたしもお母さんの車に乗せてもらって、病院に向かったの。祐ちゃん…、手術中だった。お母さんもすぐ手術室の中に入って行かれたの。あたしどうしていいのかわからなくって…」
「手術?おれが?」「うん、それで手術室の前のベンチに座って待ってたの。テーブルに新聞が置いてあったから、日付を見たの。そしたら平成19年6月10日ってなってた。それって祐ちゃんがタイムスリップしてきた日でしょ?」
「確かにおれがこの世界にきた日だけど…。母さんそこでも医者だったの?」
「うん、お医者さんだったよ。周りの人も院長先生って呼んでたし…。タクシーに乗ってた人も重体らしくて、そうとう慌ててたみたい…」「そうなの…、でも、おれのいた未来じゃない。パラレルワールドは、続いてるんだ…。多分それは、この世界の未来なんじゃないかな?」「この世界の未来?」
「多分ね…、母さんが医者なら…。それから?」

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