君がいなくなって
翌日の決勝はよく晴れていて、春の陽射しが気持ち良かった。



そーちゃんが出るのはスーパーバイク(SB)。

日本のロードレースの最高峰。



「頑張ってね」

と、声をかけた時に。

ん?お腹…

私は自分のお腹を見つめていると

「大丈夫か?」

心配そうにそーちゃんは私を見つめた。

「今。お腹が動いたの」

間違いない。

そーちゃんはふっ、と笑って

「きっと、応援してくれているんだね」

と言って私の髪の毛をくしゃっと撫でると、マシンに向かって歩きだした。


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