君がいなくなって
ホテルに戻ってから少し疲れたのでまだ早いけど見たくもないテレビをつけっぱなしに、ベッドの上で横になっていた。

私の横でそーちゃんは添い寝をしてくれている。

とはいえ。

まだ午後9時を少し回ったところで。

そんなに眠くはないんだけど。



「あのさ」

そーちゃんが口を開いた。

「さっき、言ってた事は本当?」

優しい目が私をじっと見る。

「何の事?」

何となくわかっていたけど、少し意地悪をしてみる。

「俺の事、大好きって」

少しだけ、そーちゃんは照れていた。

普段、あまり感情に出さないからそういう表情がすごく可愛くて仕方がない。

「うん」

私は頷いて

「大好きだよ」

その言葉を言い終わるかどうか辺りで私の唇はそーちゃんの唇で塞がれていた。

何度も重なり合う唇。

優しくて、愛しくて。

背中に回された手も温かくて。

本当にこの人がこの世にいてくれて、また出会えた事に感謝した。
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