君から最後の恋文 〜love-letter~


「うん、そうだよな」

「ここにいるってことは…知ってるんだろ?」


那月さんの言葉に頷いて俯いた。

「恋文な……入院しても『櫻ちゃん』ってばっかですげぇお前に妬いたわ」


那月さんもゆずさんも結構まだ若い。

話し方も、高校生みたいだ。


「そうですか……恋文、俺のことずっと好きでいてくれたんですね」


俺は目を伏せて、優しく笑った。



恋文に笑いかけるように。


「俺も、ずっと恋文が好きで…諦めることなんて出来なくて忘れられなくて」



恋文の笑顔。


「『櫻ちゃん』って、呼ぶあの声がまだ聞こえてきそうで………現実を見れない」




頭を抱えた俺を那月さんはそっと抱きしめて

力強く言った。


「櫻は強いよ……無理に進むことは無い、止まっていいんだ。後ろを振り向かなければ…それでいい」




『止まっていい』


考えもしなかった。

置いていかれるのが怖くて。


がむしゃらに走りたかった。


でも、立ち止まっていいんだ。



そう考えたら

すごく、楽になった…
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