リアル☆タイムスリップ
第二章
「……う~ん」

 何か身体が痛い。
 頬に当たる感触に目を開けると、板敷きのだだっ広い床が目に入った。

 そういや屋根裏で目が回ったな、と思いつつ身体を起こして、ぎょっとする。
 周りには大勢の男どもがいるのだが、皆和装だ。

「何だ、これ」

 和装といっても、正宗の着ているものとは違う。
 何より頭は髷を結っているのだ。

 ぽかんとしていると、部屋にどやどやとある一団が入って来た。
 その先頭にいる者を見て、またも正宗はぎょっとした。
 浅黄色のだんだら模様。

---あの羽織は……新撰組……---

 何かのオフ会だろうか、と思うが、にしては、どこか現実味がある。
 何より臭い。
 広い部屋だが、一室に男どもがひしめいているのだ。

---つか体臭まで再現するほどのマニアなのか? あり得ない---

 さりげなく鼻を押さえ、気付いて握ったままだった蜥蜴丸を、そっと鞘に戻す。
 そのとき、もわんと蛍丸が現れた。

『おやおや、面白いことになったの』

「蛍丸っ。これ、どういうことだ。気を失ってる間に、どっかのオフ会に参加しちゃったみたいだけど」

『オフ会と来たか。うんまぁ、そう思うのも致し方なしか』

 きょろきょろと蛍丸も周りを見回し、うむ、と頷く。

『どうやら本物だぞ』

「え」

『こ奴ら、本物の新撰組よ』

 あんぐりと、正宗が阿呆面を曝す。
 いや、この臭いと雰囲気で、薄々ながらも気付いていた。

 これは、本物。
 ただやはり信じられない。
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