リアル☆タイムスリップ
 帰りたいのはもちろんだが、帰った途端周りが大騒ぎになって、どこに行ってたかなど根掘り葉掘り聞かれることを思うと鬱陶しくなるのも事実だ。
 だがだからといって、それだけの理由でこのままでいいと思うわけもないのだが。

「そういや、元の世界ではどういう状態なんだろう」

 自分の身体は経堂の屋根裏から忽然と消えたのだろうか。
 当時を思い出して、正宗は宮司のことを思い出した。

「そういえばあのとき、宮司さんも気を失ったな。一緒に蜥蜴丸を見たんだし、あれ、もしかして宮司さんも、どっかに飛んだのか?」

『おお、そういえば。ふ~む、一緒にいても、同じところに飛ぶとは限らんのか』

 改めてぞっとする。
 宮司は一人でどこかの世界に飛ばされたというのか。

「うわっ……。申し訳ないな。いやでも別に俺のせいじゃないし」

『そうよ。むしろ、かの蜥蜴丸を依頼してきたのは宮司のほうじゃ。あ奴のせいといえばそうじゃぞ』

 しかしその蜥蜴丸は、正宗と一緒にこちらに来た。
 タイムスリップが蜥蜴丸によるものだとしたら、もしや宮司のほうは何事もないのではないだろうか。
 蜥蜴丸を手にしていたがために、そういう力を全て受けてしまったのかもしれない。

「……まぁ考えても仕方ないか……」
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