君のひだり
樹君の話にびっくりした私は勢いよく蒼瀬の方を向いた。

「あの、私、」


「いいんだよ。俺が誘いたかっただけだから。詩織は気にしないで。ほら、樹、後で話すからあっち行ってろよ。」


私の話を遮って蒼瀬が早口で私と樹君に話す。


「はいはい、ごゆっくりー。じゃあね!詩織ちゃん。」


「あっ、はい。」


そう言って樹君はまた自分の席に戻って行った。


蒼瀬はため息を着いて、私の方へ向き直る。


「なんか、ごめん。でも、詩織にサッカー見せたいって思ったから誘ったんだよ。」


申し訳なさそうに話す蒼瀬。


「ううん。嬉しい!ありがとう、誘ってくれて。」


そう言うと蒼瀬は嬉しそうに笑った。

< 17 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop