黒桜~サヨナラの前に~
「瑠璃南?」
「さっさと動けよ!……早く、早く倒せっつってんだろ!!?」
まだ、自分の言ってる口調が分かんないみたい。
「あっれぇ~?あの瑠璃南ちゃんがそんな口調で喋るんだぁ~!」
みぃがわざとらしく大きな声で言う。
そしたらやっと、瑠璃南は自分が使っていた口調が分かったみたい。
皆の方を見て、焦った顔をしている。
「……瑠璃南。お前……」
洋が何か言おうとした時、瑠璃南はこっちに向かって走り出した。
「……なぁにぃ~?……こっちに向かってきて。」
「姉貴、下がって。」
四人があたしの前に立ち、瑠璃南を見る。
隙間から見えたその顔は、悔しさで酷く歪んでいた。
――――ドンッ!
あたしと瑠璃南の間に立つみぃに思いきり体当たりをする。
そのせいでみぃが少しぐらついた。