Kissの温度
頬を冷たい風がかすめ、
私は一瞬身体を縮める。



亘は俯いたままじっとしていた。



『ねぇ亘。そろそろ戻らないと…』



私は亘の肩にそっと触れる。



すると亘の肩がビクッと震えた。



『亘?ホントにどうしたの?』



私は気になってもう一度訪ねた。



「遥…」



『ん?なに?』



私は亘を覗き込むように顔を
傾ける。



それに合わせて亘が顔を上げた。



不意に近づいた二人の距離。



亘の私を見つめる瞳が
思いがけず真剣で…



私はその瞳から視線を
逸らせないでいると…



「遥…俺もう限界…」



『えっ?』



意味がわからず聞き返すと



「俺と付き合って…」



(今、付き合ってって言った?)



頭の中で亘の言葉を繰り返す。



(いや、でも…)



『亘、冗談は…』



そう言いかけたとき



「冗談なんかじゃ…」



亘は私の肩を勢いよく掴むと
そのまま…



『…んっ!?』



唇を重ねた。



(わ、亘!?)



私は慌てて亘の胸元をドンッと
押し返す。



『亘、なにす…』



「遥!お前が好きだ!」



『えっ!?』



「だから俺と付き合ってくれ」



亘は再び私の肩を掴み、フェンス
へ私の身体を押しつけた。



『ちょっと亘、何言って…』



(亘が私を好き?嘘でしょ…)



‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥
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