ちび太とゴリさん。
「に、苦手かなぁ…」
「私もなんだ…唯斗くんとか、爽太くんとか仲の良い男の子とペアだと良いけど…」
葉月は本当に苦手なようで、小さくため息をついた。
てか、待て待て。
よくよく考えてみたら、ちび太以外の男子とペアになったら…
私か弱い女の子を演じねぇといけないじゃんかよ!!!
葉月と寮前で別れると、私は急いで部屋へと帰った。
バンッ──
勢いよくドアを開ければ、まず視界に飛び込んでくるアイツの姿。
部屋の真ん中で体育座りをし、顔を疼くめ泣いている。
「おい」
泣いているちび太に声を掛ければ、目を真っ赤にしたアイツと視線が交わる。
「ゴリさん…僕生きていけない……」