イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇



「ジェットコースター??」


ディズニーランドに行った事がないジャスティンにとって、木の実の言っている事はさっぱり分からなかった。
でも、分からないけれど、こういうシチュエーションには少しずつ慣れてきた気がする。


「いらっしゃいませ」


重厚な扉の先から現れたのは、真っ黒いタキシードに身を包んだ正統派のイケメンだ。
木の実はあまり顔をジロジロ見ないように気をつけながら、澄ました表情で軽く会釈をした。


「ジャスティン様、お席はどうなさいますか?
個室は今なら空いてますが、いつものカウンターの席でも大丈夫です」


ジャスティンは木の実を見て、狭い部屋よりもきっと広いメインスぺースの方が木の実は喜ぶだろうと思い、カウンターの席でお願いした。

木の実はそのバーの雰囲気に圧倒されていた。
店の中は薄暗くまだプラネタリウムの中にいるようだ。
そして、一面がガラス張りのせいで、夜景と店の雰囲気が一体化して見える。


「素敵…
宇宙旅行をしてるみたい…」


ジャスティンは、目をキラキラさせながらバーを見回している木の実を見て、もっともっと色々な場所に連れて行ってあげたいと心から思った。


「よう、ジャス、来てくれたんだ」


木の実が声がする方に顔を向けると、店の中央にある楕円形のカウンターテーブルの中で手を振るワイルド系イケメンと目があった。


「木の実ちゃん、久しぶり」


木の実は、瞬時に頭の中をフル回転させた。
誰? 知らない。
どこかで会った? 会ってない。

でも、木の実ちゃんって……
え、もしかしたら、借金取りの中にこんなイケメンがいたのかもしれない…













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