鬼が往く
関西明石組構成員の3分の1を占める神楽坂組の組長、神楽坂 倫一が銀二にやられた。

その事が、遂に明石組を本気にさせた。

明石組は構成員1万人を総動員して、銀二包囲網を敷いた。

手当たり次第に東京中を捜索し、チーマーやストリートギャング、暴走族、チンピラ、喧嘩屋などを叩きのめし、脅迫しては、銀二の居場所を吐かせようとした。

明石組の暴挙は以前にも増して酷くなり、警察官や一般市民の死傷者も出た。

東京は完全な無法地帯と化し、それによって都内の経済が悪化するまでに影響を及ぼした。

多くの都民が東京から離れていった。

最早警察の力のみでは明石組の動きを完全に封じる事はできない。

都知事は、厳戒態勢を敷くか否かまで、選択を迫られていた。

< 23 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop