秘書と野獣
「………」
呆気にとられてしばらく何の反応もできなかった。
だって、こんな彼を見るのは初めてだったから。
てっきりさらなるお説教がくるとばかり思ってたのに、実際には彼の方が叱られた後みたいに落ち込んでいて。こんなにすんなり謝罪の言葉を口にするのを見るのも初めてのことで、ますます自分が言い過ぎてしまったのだと激しい後悔が襲ってくる。
どうしよう。どうしたらいいの?
ケンカなんてしたくないのに。
「あ、あのっ、猛さ…」
「食うか?」
「___えっ?」
言葉を切るようにそう言った彼がくいっと顎で指し示したのはビュッフェ形式のテーブルで。これ以上この空気に耐えられなかった私は一も二もなく頷いていた。