秘書と野獣

「しかも自分は好き勝手やってたっていう自覚があるだけに、それ以上何も言わずに謝るなんて…。ほんと、おねえちゃんを好きになってからの進藤さんって別人みたいだね」

そんなことは…あるかも。

両想いだったと知るまではともかく、結婚してからの彼は今まで私が見てきた彼とはまるで違うと思う表情を度々見せてくれるから。

「女の人なんてうっとーしい! って感じで追われることはあっても自分から追うことなんて絶対あり得なかった人がさぁ。ちょっと食事してハグされただけでそーんなにヤキモチ妬いちゃうなんて。…ぷぷ、こんなこと本人の前じゃ絶対言えないけど、なんか可愛くなーい?」

ヤキモチ…
猛さんが…私のことでヤキモチを妬いた…?
だからあの夜あんなにも優しかったの___?


じわりじわりと、自分の中に広がっていく何か。


「よかったね、おねえちゃん」
「……え?」

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