秘書と野獣

「そう言えばあんなにたくさんのお餅、どうしたんですか?」
「あぁ、前に世話したことのある奴の実家が農家らしくて。実家の米を使った餅を作ってるとかで、定期的に大量の餅が送られてくるんだと。とても自分だけじゃ裁ききれないからよかったら食べてくれって言われてな」
「そうだったんですね」

「___で? お前らはなーにを餅ごときでそんなに爆笑してたんだよ」
「えっ!!!」

すっかり忘れたつもりでいた話題をふられてぎくっとする。

「な…なんにもないですよ?」
「俺はこの世でお前ほど嘘がヘタクソな生物を見たことがねぇ」
「せ、生物って…」

せめて人間と言ってはくれませんか。

「…ふっ、まぁいい。吐き出させるには夜で充分だからな」
「…えっ?!」
「よし、じゃあ帰るぞ」

なんだかとんでもなく物騒なことを言われた気がするけど…
気のせいだよね。うん、そういうことにしておこう。

「うちにも結構餅もらったけど色々使えそうか?」
「もちろんです! 早速今日いただきましょうね」
「ふっ、相変わらず食い意地張った奴だな。で? 何して食うんだよ」

ハンドル片手に愛おしげに私を見つめるあなたに、迷うことなくこう言った。



「 もちろん焼いたお餅に決まってます!! 」



【END】
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